世界の終わりを見るかのように
この世には絶対という文字が存在するが、それは真実ではない。ただの偶像にしかすぎないのだ。
永遠も同じ事。それは果てしない願いであり、叶わない願い・・・
しかし人はそれらを求めずにはいられないのだ。それは人間である事を捨てた彼にも例外ではなく・・・

「ねぇルルーシュ。この世に永遠はあると思う?」

長い髪を手ですっと梳かしながらはまっすぐにルルーシュを見た。
暗い部屋でルルーシュが立ち上げたパソコンのキー音だけが響いている。

「・・・どうしたいきなり」

その顔は明らかに不信顔で、は俯き苦笑した。

「いいじゃない、別に」

答えて?と詰め寄るが彼は固く口を閉ざしたままだ。
彼女の唐突な質問はいつもの事だ。しかしこればっかりは質問の意味すらわからない。

「・・・」
「ルルーシュ?」
「俺は・・・」

彼がそう言ったと同時、は自分の世界が反転するのを感じ、シーツの波にのまれる。長い髪がベッドへと咲き乱れる。彼女の全てが美しい。
ルルーシュはその姿を見ながら意味深に笑った。はその表情を見て体が熱くなるのを感じた。
この体勢がどういう行為を意味するかなんて嫌でもわかってしまう。

「ちょ、ルル・・ッッん、」

名前を呼ぶ事も叶わず、それは言葉とならぬまま彼の口の中へと消える。ルルーシュの唇が、舌が、手が、全てが熱くての理性は壊れていく。
全てを奪い取るようなそのキスに、は酔いしれる。首に手を回せば、ルルーシュの目が驚いたように見開かれ、やがて愛おしそうに自分を見る。
だが。

、俺は永遠は信じない」
「え・・・」

突然降ってくるのは否定の言葉。

「そんなものほど脆く、壊れやすいものは無いからな・・・」
「ルルーシュ」

顔を歪める彼は、残酷なほど美しくて。そしてあまりにも悲しすぎた。気がつくと、自分からルルーシュに唇を寄せていた。

「大丈夫、私がずっとそばにいるから」

私がルルーシュの永遠を作ってあげるから。言葉にはできなかったけれど、ルルーシュには伝わったようで。
まるで彼が弱い子供のようで強く、優しく抱きしめたくなった。

「ルルーシュ・・・愛してるからね」
「・・・俺もだよ・・・

そう言って唇を重ねたのは夢うつつで。後はお互いがお互いを激しく求め合った。些細な事でもいいと。ただ繋ぎ止める理由が欲しかったのかもしれなかった。


大丈夫。世界が終わったとしても私と貴方の永遠は崩れない。
<<あとがき>>
なんだかもの凄く暗いお話しになってしまいました・・・
ルルーシュは永遠とかそういった形あるものが怖いんじゃないかと勝手に想像(妄想)して書き上げた作品です。
紅月としては最後の方の締めが気に入ってたりするのですが・・・いかがでしょう?(笑)
では、ここまで読んでくださいましてありがとうございました!
七瀬様、こんなところでアレですが、企画参加させていただきありがとうございました!
これからもお世話になるかもしれません(笑)
全ての人に感謝をこめて・・・
紅月 世季
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