カーテンの隙間から差し込む月の光にほんのりと照らされた部屋。

腕の中にあるぬくもりは、静かな寝息を立てる愛しいのもの。

流した涙の跡が残る頬に唇を寄せれば、僅かに身動ぎした後に、閉じられていた

瞳がうっそりと開く。





「ルルーシュ・・・?」

「ゴメン、起こしたか?」

「・・・も、あさ・・・?」

「いや、まだ真夜中。」





情事の最中に随分と啼かせた所為か、掠れた声で言葉を紡ぐ。

まだ眠そうに目を擦る手を掴むと、その手にそっと唇を落とす。





「後で脹れるぞ。」

「んー・・・。」





手を掴まれたことが不服なのか、身動ぎを繰り返すの姿が可愛くて、

悪戯心に突き動かされた俺は、赤く色づく唇を塞ぐ。

息継ぎも許さぬほどに濃厚に舌を絡めれば、キスの後に見る彼女の瞳に浮かぶ涙。





「はぁっ・・・信じらんない・・・死ぬかと思った・・・。」

「気持ち良くて好きって言うクセに。」

「あれは心の準備が出来てるから。突然あんなキスされたら、酸欠死しちゃう。」





非難するような眼差しを向けられたかと思いきや、それもすぐに甘えるような

ものへと変化して、暖を求めるように擦り寄ってくる。





「珍しいな。」

「良いでしょ。今は甘えたい気分なの。」





ちょっと力を込めれば手折ってしまいそうな、華奢なその体を抱き締めれば、

から重ねられる唇の感触に酔わされる。




「ねぇ、ルルーシュ。愛してるって言って?」

「そう簡単に口に出す言葉でもないだろ。」

「今聞きたいの。ねぇ、言って?」

「・・・何かあったのか?」

「・・・・・・・別に何もないよ。けど・・・。」





明日が来るかどうかなんて、分からないから。

呟くように零されたその一言に、グラリと大きく本能が揺すられる。

過去があるから今はあるけれど、今があるから未来があるとは限らない。

次に目が覚めた時、が傍にいるという確証はないのだから。





「。」

「ん・・・?」

「愛してる。」

「私も。愛してるよ、ルルーシュ。」





貪るように唇を重ねれば、それに答えるように舌を差し出してくれる。

一糸纏わぬその肌に指を滑らせれば、ビクリと体を強張らせる。




「やっ・・・も・・・・ルル・・・ッ!」

「何だ?」

「シないからね。」

「却下。」





耳にふっと息を吹きかけて、耳朶に甘く噛み付けば、快楽に泡立つの体。

胸の頂に触れぬよう、優しくその周りに指先を這わせれば、じれったそうに

身動ぎを繰り返す。

所詮、人間だって動物であり、本能には逆らえないんだ。

愛する相手を求めて、何が悪い?





「ぁんっ・・・ルル・・・ッ」

「何だ?」

「じらさ、ないで・・・っ」

「シたくないんじゃなかったのか?」





この辺で我慢するつもりだったんだけど。

心にも思ってない言葉を口に出せば、潤んだ瞳で恨めしそうに見上げてくるのは、

愛しい愛しい俺の。

(本人にその気はないだろうが)挑発するような仕草に、思わずゴクリと唾を飲んだ。





「思っても、ないクセに・・・っ!」

「さぁ、どうだろうな。で・・・どうする?」

「シて・・・ルルが欲しい・・・。」

「お望みのままに。俺の愛しい姫君。」





合図代わりに触れるだけのキスを唇に落として、背筋につっと指を這わせる。

その感覚から逃げるように背中を反らせ、突き出された胸に顔を埋める。

先端の飾りを舌先で転がせば、の唇から零れ落ちる吐息交じりの嬌声。

それがまた、俺の中から理性という言葉を奪い去っていく。

俺の動作がを快楽へと導き、彼女の仕草が俺を更に本能的にさせる。

なんて素晴らしいサイクルなんだろうか。

花弁の奥から溢れ出る蜜を指で掬い上げて、甘い蜜を口に含む。





「・・・なん、か・・・さ。」

「何だ?」

「ルルーシュって、ひとつひとつの動作に、無駄に色気がある、よね・・・。」

「に言われる筋合いはないけどな。」

「そんな、こと・・・・・・ぁん・・・っ!」

「余計なことを考えられないくらい、愛してやるよ。」





明日があるとは限らない。傍にいてくれるという確証もない。

それ故に、他の誰かに刹那的な生き方と嗤われようと、俺達は目の前にある

快楽を選び取るんだ。

人は皆、今を生きることしかできないのだから。





君の見えない未来は炎で燃やす

(内に燻る劣情の炎で、不安すべてを焼き尽くして。)







コードギアス名前変換小説企画サイト「Romance」様に捧げます。




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